多肉植物図鑑PUKUBOOKへようこそ。
そして多肉植物の世界へようこそ。
PUKUBOOKでは多肉植物の魅力を余すことなくお伝えしていきます。
……
なんてことは言い古された謳い文句ですが、
そもそも「多肉植物の魅力」って何ですか?
もちろんそれは僕がひたすら語っても語り尽くせないほどありますが、ここではあえて、多肉歴の浅い僕は引っ込んで、多肉植物の大先輩である、PUKUBOOKの読者さんたちに伺いました。
題して「多肉植物のここが好き!ランキング」です!
はいはい。コメント集めといたで。
ありがとう。その集計とランキングの発表よろしく!
はーい。ほな、発表するで。
(※2020年12月に実施した読者アンケートをベースに構成しています)
ちょっと! ふつうこういうのって10位とかから発表するよね?!
え?
えーと。いきなりの1位にして、なんという身も蓋もない回答!
でも、よく考えたら、これがまさに「正確さよりも楽しさ」「客観よりも主観」を大切にしているPUKUBOOKらしい、最も大切にしたい多肉の魅力なんですよね。
植物らしからぬ、プクプクの葉っぱにずんぐりむっくりのフォルム。
優雅なカール、たくましいトゲ、ゴツゴツとしたテクスチャ、光り輝く透明の窓といった神秘の造形美。
ブルーグレイやピンク、レモンイエロー、ブラック、ニュアンスカラーなどの豊富なカラーバリエーション。
花が咲かなくても草姿自体が花のような美しさで、1年を通して楽しませてくれる。
理由を探せばいろいろ挙げられるけど、結局「かわいい」のひとことに集約できてしまうし「それ以外に言葉なんて要らないんだ!」という、愛にあふれた、たくさんの言葉をお寄せいただきました。
でもそれ以外要らなかったら記事が終わっちゃうので、続きいきましょう。
PUKUBOOKでも「5万種以上!」と謳っているように、種類の豊富さは大きな魅力です。
色柄カタチの豊富さももちろんですが、マッチする環境も様々で、自分が置きたい環境や生活スタイルに相性がいいコがきっと見つかります。
いや、相性のいいコが見つかって一途に愛することができれば無上の幸せかもしれませんが、どんどん出会う新しいコに目移りして誘惑に負けて、あれやこれやと際限なく買い足す沼にハマっていくのが通例ですけども……。
「お手軽カンタン多肉植物!」的なキャッチコピー、よく見かけますよね。
多肉植物ばかりやっていると忘れがちなのですが、一般的な花や観葉植物の中にはちょっと水やりを忘れるとすぐしおれてしまうし、頻繁にメンテナンスしないとカタチが崩れて見栄えが悪くなったりといったことがあります。その点、多肉は、少なくとも水やりはあまり必要ないし、生長も遅いのでメンテナンスも控えめでOKです。
おっと!
3位と完全に逆のことを言ってます。
どういうことでしょうか?
「多肉植物はカンタン!」とよく言われますが、実は多肉を手にした人の多くがうまくいかなくて、挫折してしまうこともしばしば。「放置してもなかなか死なない」というのはメリットに聞こえますが、裏を返せば「変化が遅いので失敗していても気づくのが遅れる」とか「失敗したあとのリカバリも効いてるかわかりにくいし時間がかかる」ということだし、「乾燥や日差しに強い」の反対は「水のやりすぎやインドアに弱い」ということ。
あらためて声を大にしていいます。
「多肉植物は難しい!」
でも、難しいからこそ、その試行錯誤に応えてくれたときの嬉しさはひとしお。こうして沼にハマっていくのです……。
意外に思われるかもしれませんが、園芸店にならんでいる植物たちの中で「増やせる」ものはそれほど多くありません。というより「植物なんてなんでも増やせるでしょ」と思っていたら、そんなこと全然ないです!と言いたい。まず、樹木系は絶望的ですね。また、花の多くは種を取るのが意外と大変で、蒔いてもなかなか芽が出ません。かんたんなのはヒマワリやアサガオくらいかな。比較的カンタンに増やせるのは、アイビーなどの匍匐するものやドラセナやクワズイモといった南国観葉植物くらいでしょうか。
その点、多くの多肉植物は、カットしたところからおもむろに根っこや新芽が出てきます。しかも、カットしても全然枯れないので、発根期間に特別な管理が要りません。
ちぎった葉っぱから小さな小さな芽が出て育っていく様子は、我がコの生長を見ているようで母性をくすぐられまくります。
多肉植物はほとんど常緑で年中葉っぱをつけていますが、その多くが、季節によって葉っぱの色を劇的に変化させます。例えば、夏はクールなライトグリーンに、冬は暖かなウォームブラウンに。多肉植物を1鉢置いておくだけで、お部屋は自動的にその季節にピッタリのカラーにチェンジします。
また、季節の変化だけでなく、水切れや強すぎる日差しなどのストレスでも色を変えるので、紅葉はまるで植物の言葉のようです。その言葉が聞き取れるようになると多肉植物上級者の仲間入りです。
男性的な「カッコいいものが好き!」なタイプの人にはどうしても、お花中心の園芸はどうしても受け入れられにくいんですよね。その点「多肉植物」というジャンルはサボテンやアガベなどかっこいい系も盛りだくさんで、その流れでエケベリアなどかわいい系多肉への理解もわりとすんなりだったりします。
一言でいうと「男女問わず、いい趣味だと褒めてくれる」んです。
やっぱり、自分の趣味が自分以外の人にも認めてもらえるのは、単純に嬉しいものです。
ほとんどの多肉植物が多年草で、中には何十年何百年と生きるコもいますが、それよりも「5位 増やせる」との合わせ技で永遠の命を獲得しているのが多肉植物たちです。何十年と付き合って、その生長を楽しみましょう。
いわゆる多肉植物は6~9cmの手のひらサイズで販売されるのが基本で場所を取りません。ベランダの手すり、窓枠、作業デスクの上など、ちょっとしたスペースがあれば置けちゃいます。
手に入りやすい、というのは売っているお店が多いということではなくて、メルカリやヤフオクなどのネット売買が多いということです。というのも、多肉植物は鉢から抜いたり、穂先をカットしたり、そのまま1週間水がなかったり、暗いところに閉じ込められたりしても生きているため、郵便で小さな箱に詰めて送りやすいという他の植物にはないアドバンテージがあるからです。
もちろん、各地のイベントでたくさんの多肉植物が販売されていますし、アマチュアの愛好会で交換会も開催されています。イベントガイドも是非チェックしてみてください。
なんで多肉植物なのか? 他の植物、花や樹木や野菜や観葉植物ではなく、多肉植物なのはなぜか? ということを説明したかったらつまり、育てるのがかんたんで、素人でも増やせるのが楽しくて、無茶苦茶種類があるのに手に入りやすいし1つ1つは場所を取らないからついつい集めちゃって、流行りに関係なくオシャレって言ってくれるから長く楽しめるし、なにより紅葉したり生長したり日々の手入れに応えてくれるようでやればやるほど奥深さに感心するし、何はなくともかわいいじゃないですか!? ということですね。