PUKUBOOKのコラムを1年以上やってきている中で、意外な人気コンテンツが去年の夏に書いた「化粧石」特集。あのときは鹿沼土すらラインナップできていない中途半端な内容だったにも関わらず多くのアクセスを頂いているなんて、これはなんとかせねば!
というわけで、あらためて「化粧石」特集! 1年経ってPUKUBOOKがどれだけチカラをつけたのかの証でもあります。持てる力をすべて出しきって総力特集 Vol.2 です。どうぞご覧ください!
名前
オススメ度
価格帯
寒水石
★★
☆☆
白玉石
★★★
☆☆☆
白玉石
★
☆☆
マーブル
★
☆☆☆
デコジャリ
☆☆☆
サンゴ砂
★
☆☆☆
焼軽石砂
★
☆
白川砂利
★★★
☆☆☆
伊勢砂利
★★
☆☆☆
鹿沼土
★★★
☆
白川みかげ
★
☆☆☆
桜みかげ
★
☆☆☆
金魚の底石
★
☆☆
マーブル
★
☆☆☆
クォーツ
★
☆☆☆
和彩 菖蒲
★
☆☆
麦飯石
★
☆☆
ボラ石
☆
赤玉土
★★
☆
デコジャリ
☆☆☆
和彩 漆黒
★
☆☆
黒玉石
★★
☆☆
瓦チップ
★★
☆☆☆
富士砂
★★★
☆☆☆
富士砂
★★
☆☆
黒玉土
★★★
☆
金魚の黒玉土
★
☆☆☆
淡路瓦 黒燻
★★★
☆☆☆
デコジャリ
☆☆☆
化粧石・化粧砂とは、鉢植えの一番上の表面だけにかぶせる用土のこと。……といった役割や使い方は前回記事に書いているのでそちらをご覧ください。今回は続編なので説明を端折ってガッツリとアイテムレビューしていきます!
いいからとにかく結論を!ですよね。「これを選んでおけば間違いない」というものを独断と偏見でおすすめさせていただきます。
もっともコスパと利便性に優れた用土が 黒玉土 か 鹿沼土。使っている鉢のカラーか多肉ガーデンの雰囲気でセレクトしていただければと。
もう少しコストを掛けてもいいので見栄えの良いものをという方に自信を持ってオススメしたいのがこちら。白系だと 寒水石 と ホワイトストーン、黒系だと 富士砂 と 淡路瓦 黒燻。入手難度とご予算でセレクトしていただければと思います。
まずはホームセンターや園芸店で手に入りやすいアイテムから。これらはそもそも化粧石用途というよりもベースの用土や土壌改良材として使うためのものなので、20Lという大袋で販売されていて単価が安いのが特徴です。うちには鉢がたくさんあるしあまりお金をかけずに統一感を出したいという全多肉LOVER共通のお悩みを解決してくれる頼もしい存在です。
中にはホームセンターにはなかなか置いていない用土もありますが、楽天やAmazonで安価にお取り寄せできるのでぜひポチってみてください。
多肉植物のベース用土として定番の鹿沼土。軽くて柔らかくて保水性が高いのがその特徴ですが、均質な色調が化粧砂としても大活躍してくれます。ほんのり黄色っぽくはあるけど、白系のポットとも相性がよく、手軽にかわいくするためにはこれ一択でOKです。長く使っていると藻が繁殖する(のがよく目立つ)のが難点といえば難点。
いつも利用させていただいている細粒の黒玉土。我が家の化粧砂はほとんどこれを使用している、もっとも出番の多い用土です。軽くて用土を抑え込むチカラが弱いので、わりと厚めに盛らないと中の用土が浮いて出てくるので要注意です。
子苗の育成用土のベースとしていつも利用させていただいている用土です。プロの生産者さんや専門店でも、黒系ポットにこの用土をかぶせているところをよく見かけます。濡れ色もわかりやすくて機能的な化粧砂です。
実はホームセンターで「細粒」は手に入りにくく、よく見かけるのはこちらの「小粒」(細粒は盆栽専門店でよく見かけます)。
富士山麓の火山灰が由来の用土で「黒っぽい砂利」。黒玉土と違って粒は細かい石なので硬く、重く、吸水性がありません。粒の1つ1つも荒削りで逞しい印象。ちょっと手に入りにくいのが難点ですが、かっこよさは抜群なので、粒の大きさ違いで常備しておきたい用土です。
いわゆる「軽石」です。乾いていると白くラフな質感でシャビーな雰囲気のアレンジに活躍してくれる使いやすい用土です。濡れると黄色っぽくなってしまうのと経年で藻が発生して緑色になっていく(色が目立ちやすい)のが惜しいところ。中粒になってくると化粧砂としてはよほど大きな鉢でしか使いにくいのですが、鉢底石としてはなかなか丁度いいサイズなので我が家で常備している用土です。
いわゆる砂利のような質感の用土。ホームセンターなどでもよく見かけます。ただもともと黄色っぽいのと、黒い石が混じっていて濃淡が強いので、化粧砂としては使いにくいのは正直なところ。
荒々しいブラックマットが渋い化粧石。淡路島で生産される「黒燻(くろいぶし)瓦」の欠片をつかったもので、天然石の化粧石と違いほぼ均質な色味なのがモダンな鉢に合うし、荒々しい質感がナチュラルな鉢にもよく似合います。なにより素焼きなので吸水性や通気性がよく、重く飛び散らないなど化粧石として最適な特性を備えていることもあって、とても使い勝手がよくオススメしたい化粧石です。
もともと盆栽専門の遊恵盆栽さんには「化粧石といえばこれ」という定番がラインナップされています。
「寒水石」というと茨城県で産出される結晶質の石灰岩…ってGoogle先生は言うけど要するに大理石の1種。この特集で取り上げている他のホワイトストーンも同様にホワイト系大理石なのでよく似ているけど、その中では1番白さ際立つ美しい石質。それでいて、古くから盆栽に利用されている定番の化粧石で、盆栽や庭木を扱う専門店で安価に手に入れることができます。白系ストーンではコスパは間違いなくナンバーワンで、白いプラポットで統一している多肉ガーデンでしたらこれ1択で間違いありません。
ただ、強いて難点を上げるとすれば、1つは大理石ならではの透明感のある石質。ガラスのような質感とそれによる陰影のない均質な色調は、いわゆる「工業製品」や「人工物」に近いイメージで(100%天然石なのに…)カジュアルなポット(ハンドメイドのものとか土感の残る陶器鉢とか)と相性がちょっと良くないですね。盆栽界では土よりも「水面」に見立てて用いられているようです。
もう1つは、古くから盆栽に使われてきているので「あ、あの、あれね」という見慣れちゃってる感。誤解を恐れずものすごく極端なこというと「オシャレ」じゃない……かもしれないというところでしょうか。
#ケチつけすぎ #怒らないで (汗
こちらも盆栽用土の定番「富士砂」。先に上げた鹿沼興産の富士砂と同等です。
庭石の定番「黒玉石」の小粒版だと思われます。丸く角が削られていて表面はマットなので、乾いていると明るいグレーになって柔らかくかわいい印象です。白にも黒にもモノトーンコーディネートとして相性がよく、使い勝手の良い化粧石です。
化粧石用途のデコストーンは、実はホームセンターや園芸店よりも、アクアリウムショップのほうが充実しています。そりゃそうだ。そもそもリビングのような目立つところに置いて砂利も魅せるのがアクアリウムの本質ですからね。
こちらは園芸用ではなくメダカ水槽用の黒玉土。そもそも観賞用に作られていることもあり、園芸用の黒玉土よりも粒が丸く、大きさが揃っていて、不純物がほとんど入っていません。すごいクオリティ。ただちょっと粒がまるすぎてかわいらしい印象になるのが難点といえば難点(笑)。
庭石の定番「黒玉石」の小粒版だと思われます。先に上げた「アトラス社 アレンジペブル ブラック」と同等品ですね。こちらのほうが粒が大きいです。丸く角が削られていて表面はマットなので、乾いていると明るいグレーになって柔らかくかわいい印象です。白にも黒にもモノトーンコーディネートとして相性がよく、使い勝手の良い化粧石です。
今回お取り寄せした中ではもっとも赤い化粧石。「赤玉砂利」と呼ばれているものと同等のものかなーと思います。
文字通り砕けたサンゴからできた砂。つまり白い砂浜の砂。濡れるとほんのり黄色みを帯びますが白さをキープ。大粒のものはサンゴのカタチがそのまま残っています。細粒のものが安く手に入ったら活躍するかもしれない。次の機会に取り上げていきたいと思います。
アクアリウム用に販売されている「ホワイトストーン」とラベルされた化粧石。いわゆる「白玉石」と呼ばれている白大理石を材料にしていると思われ、今回の他の白玉石やクラッシュマーブルと同等の色味です(寒水石より少しオフホワイト寄り)。角が丸く削られて少しマットな仕上げのために柔らかくカジュアルな印象になっているところが、個人的には寒水石より使いやすい「ベストホワイトストーン」だと思っています。
もっと本格的にこだわりの化粧石が欲しい!という場合は、砂利専門店が心強い味方になってくれます。
ほんのりさくら色の御影石。ラフな質感と独特の温かみのあるカラーが魅力的。だけど今回は3分サイズしか入手できず、ちょっと大きかったかなぁ。コーディネート例を模索中……(これに見合う立派な見本株がうちにない問題)。
ブラック系のノイズが入るシルバーストーンがグランジでロックな化粧石。メタルなアルミ鉢と相性抜群です。白磁や黒系のシンプルな鉢と合わせるとナチュラル&モダンなコーディネートに。逆にウォームナチュラル系の鉢は合わないかも。今回は3分サイズしか入手できなかったけど、ちょっと大きかったかなぁ。2分を狙っていきたいところ。
他の白玉石やホワイトストーンと同等の白大理石をラフに砕いた庭石。寒水石よりオフホワイト寄りの色味で、テクスチャもより一層ラフでゴツゴツしているのでナチュラル寄りの雰囲気。使い勝手は良さそうですがサイズが大きすぎました。似合う株を捜索中……。
お取り寄せしたときは正直さほど期待してなかったけど、すみません、むちゃくちゃ良いです。上の単体写真で見ると黄色っぽく見えるけど、実際にアレンジしてみるとかなり白っぽい印象なの、おわかりいただけますでしょうか? ちょうど前回特集したときに「白系としてはベスト」と思っていた「焼軽石砂」とほぼ同等の色味で、それでいてノイズも軽減されていて(色調がより均質)濡れ色も大きく変わらないしむしろツヤ感と透明感があって美しい。
強いて難点を言えば、ちょっとお高いのと、その価格に見合う良さがこの記事程度では伝えきれないこと、か……。玄人向けなのかもしれません。
サボテン愛好家の聖地「山城愛仙園」でも似たような石質の化粧石をよく使用されています。その理由とは? 詳しくは Vol.1 をご覧ください。
白川砂利と同等の透明感とツヤ感と色調の均質さを備えた上品な化粧石で、こちらは「鹿沼土」に色味が近いライトブラウンカラー。
強いて難点を言えば、パッと見の印象だと「そのへんの砂と変わらなくない?」と言う具合にその「違い」がわからないこと、伝わらないこと! 本当に、伝えるのって難しい。
クォーツ(石英)は透明度が高いものがいわゆる「水晶」と呼ばれる鉱石で、アンバー(琥珀)クォーツはそんな水晶になりきれなかった琥珀色系のクォーツ。透明度や色はまちまちでキャラメルのようなものもあるけど、向こう側が透けて見えるものもあって、ついつい選別して磨いてみたくなります。化粧石としてはそのキラメキと透明感が逆に相性のいいコーディネートを探すのを難しくしている感。
ピンクマーブル(大理石)をラフに砕いた化粧石。乾いた状態ではマットだけど濡れるとツヤツヤになって表情の変化が楽しめます。カジュアルな白ポットと合わせてみたらかわいくなりました。
先に紹介している「淡路瓦 黒燻」と同等の瓦チップですが、こちらはより一般的な瓦カラーのライトグレイ。サイズは「細粒」と同じですね。より明るくカジュアルな印象です。
我ら庶民の味方!100円ショップDAISOでも化粧石を並べてくれています。ただ、どれも「金魚鉢」に使うことを想定したもので粒が大きいのが難点。5号以上の大鉢におすすめです。
金魚鉢に似合う大きめの白玉石。他のホワイト系ストーンと同等の白大理石で、寒水石よりオフホワイト寄り。おそらくだけど中国産の白大理石「白仙」なのかなーと推察。小鉢には使いにくいサイズで、大鉢で使うには1袋だと足りないかも知れません。110円だけど量が少ないので単価的にお値段は★★相当(ちょうど写真に写っているのが1袋分)。
金魚鉢に似合う大きめのミックスカラーストーン。ホワイトストーンに赤とグレイの2色を少しブレンド。金魚カラーでかわいいです。小鉢には使いにくいサイズで、大鉢で使うには1袋だと足りないかも知れません。110円だけど量が少ないので単価的にお値段は★★相当(ちょうど写真に写っているのが1袋分)。
灰色のベースの中に白い結晶が散りばめられている様子が麦ごはんに似ているから「麦飯石」と呼ばれている石で、性質的には多孔質で水を通すとカルキや有害物質、大腸菌などの雑菌を吸着して浄化する作用があることから金魚鉢や水槽の水質浄化剤として利用されている、というかDAISOでもその目的で売っている石。浄化作用も期待したいところだけど、単純にこのラフでグランジな質感が、ハードでロックなコーディネートに似合いそう。写真がちょうど1袋分で他のDAISO石よりだいぶお高いのが難点。
砕いた瓦(焼き物)を塗装した化粧砂専用のプロダクト。塗装なので赤や金銀といった発色の良いカラーがあるのが魅力です。ただその塗膜が柔らかく時間が経つと固まる性質があって茎や根の生長を阻害することがあるため用途を選びます。根本が大きくならない木立ちするタイプにオススメです。
いやー。過去最大のコラム記事になりました。実は文量に容量制限があったのですが、初めてそれを突破したので容量増強する羽目になったくらいです。
今回の記事はもちろん、ヤフオクイベントや公式ショップで資金援助いただいたお陰で成立しています。末尾にはなってしまいましたが、ご支援いただきましたみなさまには感謝。もちろんふだんから当サイトをご利用いただいているみなさまにも「広告費」というカタチでご支援いただいているので感謝。いやいや資金の有無以前に、こうしてサイトをご利用いただいているみなさまにはもれなく感謝しかありません。ありがとうございます。
いろんなショップで販売されているものを手当たり次第にお取り寄せして縦横無尽にレビューできるのも、自らお金を出してアイテムを買い集めているからということもあるんですよね。「取材協力してくれるところしか紹介しない」なんて言う必要がないってこと。
それでもまだまだ紹介しきれないものもたくさんあります。
こうして調べてみてわかったのは、化粧石に定番なんてないってことですね。各社さまざま。今後とも、もっと知らない世界を探究して、さらに精進していきたいと思います。